茶道の中の結び
お仕覆しふくの結び 私が結びを始めるきっかけとなったのは「花結び」(田中年子著)という本でした。そこには美しいお仕覆しふくの結びが載っていました。結び目を意識したことがなかった私はその美しさ以上に結びに「鍵」の役割を持たせていたという解説に衝撃を受けました。お茶に毒を盛られないよう茶道役のみ知る結びが茶入れ袋に施されていたというのです。この時私は初めて日本の文化というものに強い興味を持ちました。 このような結びは「封じ結び」と言われます。戦乱の時代が過ぎ、茶道が民間のものとなるにつれ花鳥風月を結びに托すようになったそうです。お仕覆の結びを再現された橋田正園しょうえん先生が研究されていた文献「…