mahora(まほら)

美しい場所 mahora 2018年7月1日 八燿堂より 編集/発行人:岡澤浩太郎 「mahora(まほら)」とは、美しい場所、すぐれた場所を意味する古語。創刊号のご挨拶には「美術や服飾、工芸や手仕事、伝統文化や民俗学、自然の風土や農や土、太古の知恵や日々の暮らし、といった広い領域を“美” というあり方を通して、横断しつなぎ、見渡していきます。」とありました。  そもそものご縁は、2017年に開催された松屋銀座の「祈りをむすぶ」展をご覧になった岡澤さんから限定部数の本を発行するにあたり表紙に結びを施したい、ついてはその結びのデザインと結び方のレッスンをお願いできないか、とご連絡を頂いたことでし…

結びの本

1. 結びの研究者 額田巌ぬかたいわお氏の本 プロフィール額田巌:1911年(明治44年)-1993年(平成5年)岡山に生まれる。1935年早稲田大学理工学部卒業。日本電気株式会社に入社。工学博士・文学博士。 1940年(昭和15年)から本格的に結びの研究を始める。結びに関する本以外では『決断する人のための経営科学入門』・『知識産業と電子・通信』・『垣根』・『菊と桐:高貴なる紋章の世界』がある。 包み結びの歳時記(福武書店 / 1991年発行 )  1991年、亡くなる2年前に発行された本。「はしがき」に「ここでは民俗学の視点に立って、農耕の産物としての藁を基盤にした包み、結びが年中行事の中に…

武家故実家 伊勢貞丈

伊勢いせ貞丈さだたけ 1717(享保2年)-1784(天明4年) 68歳没  故実家(儀式や法令などのしきたりに通じた学者)八代将軍徳川吉宗治世下の享保2年12月28日、江戸の麻布鷺森に生まれる。通称は平蔵、号は安斎という。10歳で家督をつぐ。勉強好きで努力型の学者。同時代人に本居宣長・平賀源内・青木昆陽がある。室町幕府政所執事の家柄。将軍から大父(おおじ)と呼ばれるほどの大家で代々武家の礼法故実に詳しく、貞丈も江戸幕府の旗本として諸儀式にあたる。 包結図説ほうけつずせつ 明和元年(1764年)に自らの家に伝わっていた包みの作法を「包之記」にまとめ、のちに贈進にまつわるさまざまな結び方を示した…