菊で災厄を祓う
毎年10月18日に行われる菊供養会。仲見世通りを抜けていくと本堂の手前で小菊の花束が売られています。まずはこの菊を買って本堂に入りますと、案内の方いらっしゃるので指示に従って靴を脱ぎ、本堂に入ります。菊を献花する所にお坊さんがいらして、菊をお渡ししますとすでに本堂に献花された下供菊と交換してくれます。それを持ち帰り陰干しして枕の中に入れると頭痛が去り、災厄を除くと信じられています。私は和紙に包んで枕の下に入れます。この日は「菊のお守り」も授与されます。
「金龍の舞」と「結び」
菊供養会の日には「金龍の舞」が奉演されます。
楽器を首にかける赤い紐は「叶結び」が結ばれていました。三味線を弾くお姉さん方も車を引く男衆も「あわび結び」のついた衿袈裟を付け、三味線の音緒は赤い紐で結ばれています。この結びは叶結び系の結び方で、藤原覚一著「日本の結び」でも紹介されています。金龍の舞に連なる男衆の背中に赤い紐で大きな房の付いた叶結びがきりっと結ばれ、粋な姿を際立たせていました。
写真:関根みゆき