April11(Mon)-April23(Sat)ミラノ大学にて
毎年4月にイタリア、ミラノ市で開催される、世界最大規模のデザイン見本市「ミラノサローネ」。
注目度の高い[INTERNI OPEN BORDERS 2016]に北九州市の小倉織が参加し、染織家・築城則子氏が制作した手織りの小倉織と、小倉 縞縞-KOKURA SHIMA SHIMAのテキスタイルを用いて、建築家白川直行氏の空間構成によるアートインスタレーション「PARABOLIC STRIPES(放物線を描く縞)」を発表。
小倉織の生地を菱形に折って香木を内包した訶梨勒(お香袋)1344個で創られたシャンデリアも設置され、中央に施された結びを制作したご縁からミラノの旅へ同行させて頂きました。
ミラノ大学
1400年代に病院として建造された中世の建築様式を現在に伝える歴史的建築。
インテリア雑誌「INTERNI」主催イベントのメイン会場となり、約10万人が訪れるという。
訶梨勒のシャンデリア
階段に吊られた小倉織の訶梨勒1344個で創られたシャンリア。この菱形の折りは折形デザイン研究所オリジナルの包み「貝包み」で、お香袋用にアレンジして頂いたもの。使用を許可して下さって築城則子さんの染織展に際し小倉織の訶梨勒として制作をさせて頂いていました。その訶梨勒と同じく生地を正方形に裁断し、一つ一つ小倉 縞縞のスタッフ全員で折りあげました。
訶梨勒は室町時代に邪気を祓う具として考案された柱飾りです。同じく室町時代に建てられたミラノの歴史的建造物に訶梨勒で創られたシャンデリアが下げられ美しい光を放っていました。それぞれの文化の深さを感じ、スタッフの想いと香り豊かな香木を包み込んだシャンデリアが日伊文化交流の場をやさしく照らしてくれました。
針を使わない、折るだけのお香包みは経糸が密でしっかりした小倉織ならではのもの。中心の結びは「六方緒締め」と呼ばれるらせん状の結びです。お香の入った包みに黒い紐をかけて結びを施し、紐端は「釈迦結び」で結び留めました。
回廊の小倉織の帯の展示
イタリア文化への敬意
ミラノの象徴ともいえる彫刻前のスペースには小倉織の反物を150段積んだインスタレーション。
これは日伊交流150年の過去と未来、さらにイタリア文化への敬意を表したものとお聞きしました。
会場内では築城則子さんをはじめ小倉織のお着物姿の方々が何人もいらして、節目の年の交流の場にふさわしい会場風景となりました。
ミラノの思い出
私を含め5名で小倉 縞縞が企画したミラノの旅に参加しました。ミラノ郊外のホテルに滞在し、日々日伊交流の文化イベントに参加することができ、とても充実した日々を過ごすことができました。
一日、他の会場見学に出かけました。ミラノはおしゃれな人々で溢れています。
小さな結びも見つけました。ロウソクの芯を結ぶなんて。
写真:関根みゆき