「貝雛」と「結び」
貝に古布を重ねてつくる「貝雛」。原久美子さんの作品です。時間をかけて集めた古布に時には刺しゅうを施して古布の再生を楽しんでいらっしゃいます。形の良い蛤の入手はなかなか難しいそうです。時をかけて集まった裂や貝で生まれた貝雛は小さな三段重に収められ、お仕覆を着せて、紐にはかわいらしい結びが施されています。
私はお内裏様が手に持つ檜扇の結び、ひな壇に飾られる貝桶の結びを室礼として、お香を詰めた小さな結び玉で雛あられを模して貝雛に添えました。背守りの結びは松と鶴を表したもの。明治時代の結びの本を参考にしました。小さな貝雛と結びなら、いくつになっても雛祭りを楽しめそうです。