WASABI-Elisi(ワサビエリシ) Workshop 

2025年:5/25(日)7/27(日)9/28(日)11/23(日)
2026年:1/31(土)3/29(日) 時間:14:00-16:00 参加費:4400円(材料費別途・500円~1000円)

156-0042 東京都世田谷区羽根木1-21-27 亀甲新 ろ60 アクセス→WASABI-Elisi infoへ
お申込みはWASABI-Elisi のサイトからお願いいたします。お申込みページはこちらから

結びと節供-古来からの暮らしと知恵 (2025年5月から2026年3月までの奇数月)

節供をはじめ伝統的な行事にまつわる「結び」の色々を、旧暦の端午、七夕、重陽、新嘗祭、正月、雛祭りの時期にお勉強し、実際に作っていきます。

 店名の「WASABI-Elişi(ワサビ・エリシ)」は清々しい青い葉「わさび」と、トルコ語の「手仕事」=「Elişi」を合わせた名前で、このお店ではトルコの針仕事を中心に、様々な手仕事の美しさを発信していらっしゃいます。私はこのお店で針を使って糸を結ぶİğne oyası(イーネオヤ)というトルコの結びの技法を知りました。トルコの結びへの関心から店主の赤松さんにトルコの女性たちの手仕事についてのお話を伺い、そのご縁からこの度のワークショップへと繋がりました。

第5回ワークショップは「節分と八日節供」2026年1月31日(土)14:00-16:00

 立春の前日である節分は季節の移り変わる時、冬から春への境目です。節分の豆まきは穀物に宿る穀霊の力で除災招福する行事で大晦日に悪鬼を追い払う「追儺」が起源といわれます。また2月8日を「八日節供ようかせっく」と呼び、この日の晩に目一つの妖怪ヒトツマナコに襲われないようにと、家の軒先に目籠を竿の先につけて立てたと云います。その理由は各地でさまざまな伝承が残されています。
 春の訪れは農事を控えた予祝の時でもあります。立春正月に先がけて悪鬼退散を願い、実りを祈る結びとして「稲穂結び」「籠目10角結び」を選びました。また遠く離れたアイルランドではこの時期ケルトの春の祭り、インボルグ(Imbolc)を迎えます。風土の違いはあっても魔を祓い除災を願う想いは変わりません。組紐文様が美しいケルトのお祭りについても触れたいと思います。

<今回の結び>

◇稲穂結び
 この結びは現在「稲穂結び」という名で親しまれていますが、昭和49年発行の『図説 日本の結び』(藤原覚一著)では 房紐の項目に載っていて特に結び名はなく、ただ「三つ組」とだけ図の横に表記されています。「稲穂結び」は1本の紐の途中に三つ編みのような構造を作る結び方で、すっと伸びた紐の途中にできる三つ編みを、後に稲穂に見立ててこの名が付けられたのかもしれません。

◇籠目10角結び(かごめ結び10角)
 結び目がかごの編み目のようになることからついた名称です。 ひもの交叉する部分の数によって、10角、15角と区別します。(図解 はじめての飾り結び/川島美薗著より


第4回ワークショップは「新嘗祭にいなめさい」:11月23日(日)14:00-16:00

 新嘗祭は毎年の新穀を神に捧げ、天皇自らも神々と共に食する行事です。その翌日には天皇出御のもと豊明節会とよのあかりせちえと呼ばれる宴会が開かれ、舞姫による五節舞ごせちまいが盛大に披露されました。舞姫達は日蔭の蔓という髪飾りをつけて登場します。古代朝廷の祭事など儀式に奉仕する人々は冠のこうがいかずらを頭部の装飾に用いました。植物の蔓は後に紐で「あげまき結び」と「にな結び」を連ねたものが使われるようになりこの結びを「日蔭蔓白糸ひかげのかずらしらいと結び」といいます。
 今回は髪飾りに使われた日蔭の蔓について、またカズラ・カザシ・カザリという頭部につける装飾の意味や歴史についてのお話や、新嘗祭における結びの儀式などについてお話いたします。

<今回の結び>

◇あげまき結び
 高松塚古墳の東壁に描かれたきぬがさに下げられた紐はあげまき結びに結ばれていいると言われます。古くから調度品や障屏具、袱紗など身の回りのものから神社の御簾、鎧兜、祭りの中などいたるところで使われてきた日本を代表する結びの一つといえます。

◇にな結び
 西洋諸国では「チェーンノット」という名が一般的で日本でも作業用に使う場合は「鎖結び」といい ます。「にな」は貝の名前で、巻貝の総称「みな」からきたとも言われます。この結びもあげまき結びと同様に障屏具や調度品などに使われてきました。また檜扇の飾りにも使われるようになり、王朝時代の優美な結びの一つとして伝えられています。

第3回目ワークショップは「重陽の節供」 : 9月28日(日)14:00-16:00

 五節供の一つに九月九日の「重陽の節供」があります。「重陽」は最大の陽数(奇数)が重なるところから名づけられました。この日は菊の花で邪気を祓い、長寿を祈るところから別名「菊の節供」とも言われます。万葉集には菊の花そのものを詠んだ歌はないと言われますが、菊花の美は平安貴族たちに愛され、中国から伝えられた菊慈童の伝説から着せ綿という優雅な行事も生まれました。
 今回は重陽の節供や菊にまつわるお話、花結びの代表ともいえる菊結びとその活用事例などをご紹介いたします。重陽の節供の室礼として制作した作品をご覧いただきながら、平安時代、女子の教養の一つと言われた花結びを楽しんで頂けたらと思います。

<今回の結び>

◇菊結び 2種(別名:吉祥結び)
 「願い事が叶うというめでたい結び」であるところからお祝い事に使われる、といわれます。この結びには表裏があり、その形状が「叶」という漢字を表していると伝えられています。

◇四つ畳結び
 菊結びの基本的な構造をもつ結びです。

第2回目ワークショップは「七夕」 : 7月27日(日)14:00-16:00

 旧暦の七夕を前に、5色の紐で竹飾りを作ります。機織りの技術と共に伝えられた「七夕」。
古来日本ではお盆の前の7月7日の夜に村の災厄を除くため水辺で機を織り、神を迎える行事がありました。この機を織る女性は棚機津女たなばたつめと呼ばれ、「たなばた」という読み方はこの「棚機たなはた」に由来すると言われます。かつては五行を表す五色の糸を願い糸として竹にかけていました。願い事を書いた5色の短冊は願い糸の名残りといわれます。かじの葉に五色の願い紐を添え、短冊には叶結びをつけて、七夕に結びの竹飾りを添えたいと思います。

<今回の結び>

◇叶結び
 「願い事が叶うというめでたい結び」であるところからお祝い事に使われる、といわれます。
 この結びには表裏があり、その形状が「叶」という漢字を表していると伝えられています。

◇五行結び
 この結びにも表裏があり、結び目から陰陽五行の「五行」を表すとされています。また「(はた)(いと)などを結ぶも、此結方を用いる、ゆえに又機結とも云う」とあり、古くから親しまれてきた結びだと考えられます。           

第1回目ワークショップは「端午の節供」 : 5月25日(日)14:00-16:00

 5月~6月は祓いの行事が多く、今回は端午の節供の変遷とお香袋についてお話します。
5月5日の最初の行事としては日本書紀に「薬猟」が見られます。薬草のたくましい精を身体に取り入れる行事で7世紀初めには伝えられていました。その後強い精気を持つと言われる菖蒲や薬効のある蓬などを五色の糸で結んだ「薬玉」を御簾や柱に掛けたり、身に付けたりすることで邪気を祓う行事が行われました。悪月といわれる陰暦5月は邪気や悪疫を祓う行事が続きます。今回はお香と結びで邪気を祓う小さな匂い袋を作ります。※小倉織縞縞の生地を使用します。

今回の結び

◇つゆ結び
 シンプルな結びですが、とても役立つ結びです。活用範囲も広く、その結び方や使い方のポイントなどお話します。

◇あわび結び
 のし包みなどに結ばれる吉事の結び。組紐では仏教的な結びにも多く使われています。「亀結び」「四つ手あわび結び」「荘厳結び」「袈裟結び」などはこの「あわび結び」から生まれます。一見難しそうに見えますがその法則に従えば初心者でも結ぶことは出来ます。

ワサビエリシのある羽根木の街

この一帯は雑木林に囲まれた集合住宅「羽根木の森(坂茂氏設計)」「羽根木インターナショナルガーデンハウス(北山孝二郎氏設計)」があり、ワサビエリシは建築家東利恵さんが手がけた「亀甲新(きっこうしん)」という低層の集合住宅の中にあります。お隣は花と緑のアトリエ「malta」、その先には人気のカレー店「kitchen and CURRY」が軒を並べます。